
少しくらい霊的真理の知識を得ても精神修養を重ねても、何か新たな事態に直面すると煩悩が頭をもたげて来て不安に襲われる。それ程煩悩というものはしぶとく根強いものである。人間が肉体に宿っている限り完全に切り離すことは難しいだろう。
唯、知識を得た上で訓練によって一時の意識の切り替えで霊の心を呼び起こす事は可能になると思う。その時には煩悩は消えて爽やかな心境になっている筈であり、これまで何とつまらない事で悩んでいたのかと感じるだろう。本当の自分というものはそれまで考えていたより遥かに大きなものであり、地上世界を超えて霊界にも繋がっていることが直観でわかるからである。
それが出来たらこの世での修行も一応成果があった事になるかもしれない。その声を道しるべとして残りの人生を過ごせば良いということになる。一方で一部には肉体を捨てた後も尚、霊的意識が目覚める事もなく煩悩を携えて生きている者もいて憑依という形を取って地上に悪影響を及ぼしているようである。